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ひじ関節の動き

ひじの関節を曲げてみました。

これまでほとんど無視をされていたひじの関節ですが、本当はそれほど簡単ではありませんでした。

ひじ周辺の形状は腕を伸ばした状態から最大に曲げた状態まで、実に様々な形状に変化します。
これそが本当の腕のありかたです。
どのようにフォルムを忠実に再現したオブジェクトであっても、そのポリゴンを単純に曲げたところで「曲がった腕」を表現することはできません。
なぜなら腕の形状は筋肉にあるからです。
筋肉がなければ腕は旧型ロボットと同じで、伸ばしたときと曲げたときではその形状に変化はないでしょう。しかし、人間には筋肉があります。
つまり、筋肉の再現なくしてひじ関節は作れないということなのです。

私はひじ関節の再現のために上腕二頭筋と腕とう骨筋という関節を挟んで内側にあるふたつの筋肉を作りました。

データ的に説明しますと、ひじは80度くらいまでは曲げても折りシワはできません。そして出来るシワは上腕よりにあり、関節に対してシンメトリーではありません。

またひじ関節は一次関節でありながら実は曲面稼動をしていることです。
そのためひじは関節を曲げると微妙に移動します。
上のCGをゆっくりと動かしてみてください。腕を伸ばしたときと、曲げたときではひじの位置が移動しているのが分かると思います。

そんなことはないと思われるのであれば、腕をテーブルの上でひじを下にして伸ばしてみて下さい。その状態から腕を曲げるとひじはテーブルから浮き上がっているはずです。
腕を曲げるとひじの位置が移動する。つまり、ひじ関節は微妙に移動しているということになります。

ちなみに、私はこのひじ関節を再現するために非常に多くのボーンを使用しております。

なお、このひじ関節に関して、ひじを最大限に曲げた際に肉と肉が重なって出来る肉の盛り上がりはボーン角に対応したモーフィングを使用しています。